BARCELONANDO :)

1995年香川生まれ岡山育ち。現在ヨーロッパ生活10年目。スペインとイタリアの大学生活・旅行・言語学 (5ヶ国語)・哲学・バルセロナおすすめ情報など、幅広いジャンルの記事を執筆中。

【EUの国立大学】イタリアとスペインの大学の学費・システム比較

〜今、所属してる2つの大学を比較〜

どちらも国立大学で、
スペインは、バルセロナ大学 (Universitat de Barcelona)
イタリアは、カラブリア大学 (Università della Calabria)

EUの大学間では「エラスムス」と呼ばれる交換留学制度がすごく有名でそれを利用する人が多いけど私の場合は両方の学位習得のノーマルコースに籍を置いてる。

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【バルセロナ大学】
スペインで1番か2番、ヨーロッパでも上位に入るレベルが高い名門校。だから入学試験の難易度が相当高い。しかも、この大学でスペイン人と肩を並べて勉強するとなれば必ず「カタルーニャ語」の壁にぶつかる。そして単位を取るのが難しい。一応、4年制だが、4年で卒業する人は珍しい。学部によって違いがあると思うけど哲学部は本当に難しい。入学当時、周りには5,6年生が多かった。

テストは全て筆記というのがイタリアの大学と大きく異なる。あと授業に参加してもしなくても出欠確認はない。

学費は、年間約22万円で、それにプラス教材や授業で使う本をたくさん買う。上の写真で私が持ってるのは「カルペタ」と言うバインダーで、バルセロナ大学に限らずどこの大学生も本や書類を挟めて持っている。現地の学生感が出るし、超便利だから愛用している。毎年デザインは投票で選ばれる。何気にこれはいつも楽しみ。デザインを見たら何年生の生徒か判断することができる。

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バルセロナの大学と言えば、UBとUABで、UBはバルセロナ大学の略。UABは、バルセロナ自治大学。UABは日本語や日本文化を学ぶコースがあり、いくつかの日本の大学とも提携を組んでる。だから日本人の交換留学生がいる。UBの哲学部の2015-2019年生はスペイン人ばっかりでアジア人も私だけ。だからカタルーニャ語が喋れなくても自分がみんなに追いつくしかないから最初は特に努力が必要だった。

学生は朝から晩まで図書館で勉強するのが当たり前で「学ぶ意欲がある人だけ大学で専門科目を極める」っていう雰囲気がスペインの国立大学。バルセロナ大学がイタリアのカラブリア大学より進んでるな〜と思うのは、

① 全科目の先生がパワーポイントや授業の内容を生徒専用ページに載せてくれる。

② ビザ申請で授業の証書が欲しい時の申請、単位の確認 (進級や卒業までにあと何単位が必要か)、レポート提出などが全てオンラインで出来る。

あとは、Espors UB というスポーツ施設が最高。授業の前後にとても良い環境でスポーツにも励めるのもUBの魅力の1つ。多くの学生がサッカー、陸上競技、テニス、ジム、体操、水泳、重量挙げなど様々な分野で文武両道な生活を送っている。

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バルセロナの町中にキャンパスは散らばっている。中心地にあるのは文献学部や数学部や哲学、歴史、考古学部など。大学の図書館も町中にあり、その多くが土日・祝日も朝から晩まで空いている。

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続いて、南イタリアの国立大学。

【カラブリア大学】
ここの大学は、イタリアという国事情が関係しているのか、バルセロナに比べて「移民」が多い印象を受けた。南イタリアはよく経済がね〜とか治安がね〜と言われてるが、治安はめちゃくちゃ良いが、施設はUBより劣る。トイレとか図書館の開館時間とか教室の質とか。普段のテストは筆記より口頭試験が多い。カラブリア大学の言語学部はオール口頭試験。

気になる学費はなんと…

スペインの国立大学よりさらに安い!(年度始めに1年分払うスタイルじゃなくて2分割。) 

授業登録料16.50ユーロ
前期分380ユーロ
後期分346ユーロ

=年間たった742ユーロ

10万円弱。日本人からすればこの額は『安すぎる』が、私はこれでも1番払っている方。と言うのも、イタリアの大学は両親の仕事の収入によって払う学費も食費も違う。年間の学費が2万円未満の子が多いことには驚いた。

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カラブリア大学のいいところは、

① 教授方が全員親切で親身になって教えてくれるし相談にものってくれる
② 自然がいっぱいの中で勉強に集中できる
③ 大きな学生食堂が3つあって美味しいご飯が安価で食べれる
④ 友達がたくさんできる
⑤ 1年次の段階から他の学部の授業を取ることも可能

住んでみるとスペインとイタリアの国民性の違いを感じることが多い。バルセロナ大学はテストに合格できなかったら「はい、来年も履修してリベンジしましょう」だったけど、ここは先生が「合格できるまでとことん付き合うよ」っていう感じ。

ここの大学入試は口頭試験で、入学後に筆記の試験を3科目受けた。一般常識や歴史や美術のテストで難しかった。合格出来なかった場合は、あとから追加科目の履修が義務付けられる。

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カラブリア大学は、キャンパスが全部一箇所にある。大学の真ん中に1本の長ーーーい橋が通っていて、その左右に6,7階建てのキャンパスが連なっている。敷地内に郵便局、銀行、バル、喫茶店、学生食堂、ピザ屋、水屋さん、たくさんのベンチ、小さな携帯ショップ、何十もの学生寮がある。

多くの学生は大学の中に住んでる。でも、1人暮らし用の部屋はないから学生寮に住むなら必然的に2人以上とシェアしないといけない。だから私は大学近くの家を探した。

ここは常に小鳥が鳴いてる声が聞こえるほど周りは緑ばっかり。だから空気は綺麗だし落ち着いてるから勉強するにも住むにも向いてる。バルセロナ大学は『THE 都会』で本屋やスーパーがいくつも周りにあったけど、一歩大学の外へ出れば人が何百人も歩いててたまに疲れることもあった。まあ、その活気が楽しかったけど…。

【まとめ】
どちらの大学にも違った良さがある。この対照的な2つの大学の学生になれて、楽しく毎日勉強に励めていることは本当に光栄。

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